火災保険の水災補償を確かめる方法
更新 2026年10月12日
火災保険に入っていても、水災が必ず補償されるとは限りません。契約している補償、保険の対象、支払条件を一つずつ確かめます。この記事は確認方法を説明するもので、特定の商品や保険会社をすすめるものではありません。
まず現在の契約書類をそろえます
保険証券や契約内容のお知らせで、保険期間と契約中のプランを確かめます。次に、契約概要、注意喚起情報、ご契約のしおり、普通保険約款、特約を用意します。紙がなければ、契約者ページや取扱窓口で現行契約に対応する版を確認します。
「火災保険」という名称だけでは、水災の有無は判断できません。補償一覧の「水災」が対象か、対象外かを見ます。似た言葉の「水濡れ」は、給排水設備の事故など別の事故区分である場合があります。名称から推測せず、定義を読みます。
金融庁は、契約概要を商品の内容を理解するために必要な情報、注意喚起情報を保険会社が顧客に注意を促すべき情報と説明し、重要事項説明書などを読むよう案内しています。不明点は、質問と回答を記録します。
何が保険の対象かを確かめます
- 「建物」と「家財」のどちらを契約しているかを見ます。建物だけの契約で、家財も当然に対象になるとは考えません。
- 車、屋外設備、貴金属、仕事用の物など、対象外や別の条件になる物を約款で探します。
- 洪水、内水氾濫、高潮、土砂崩れが、水災の定義にどう書かれているかを見ます。
- 臨時費用、残存物の片付け費用などの費用保険金がある場合は、支払条件と上限を分けて確認します。
日本損害保険協会が金融庁の有識者懇談会に提出した資料では、火災保険の水災事故として、河川の氾濫だけでなく、土砂災害、高潮、融雪洪水、都市型水害(主に内水氾濫)を挙げています。ただし、実際に支払われるかは自分の契約の定義、対象、免責事由で決まります。
浸水の支払条件を読みます
約款の「保険金を支払う場合」を開き、原因と損害の両方を読みます。特に次を抜き出します。
- 損害割合による条件があるか。
- 床上浸水や、地盤面から測った浸水深による条件があるか。
- 免責金額、自己負担額、支払割合、支払限度額があるか。
- 保険価額を新価と時価のどちらで評価するか。
- 同じ災害で複数の損害が出た場合の扱いと、請求期限・連絡先はどうなっているか。
日本損害保険協会が国の検討会(2020年)に示した支払方法の例には、「保険価額の30%以上の損害」または「床上浸水もしくは地盤面から45cmを超える浸水」といった条件があります。一方で、支払方法が異なる例も併記されています。この数字をすべての契約に共通する基準として使わず、自分の約款の文言を確かめます。
「床上」はどの床を指すか、「地盤面」はどこを基準に測るか、「損害割合」は何を分母に計算するかも質問します。マンションの専有部、共用部、家財は契約主体が違うことがあるため、管理組合の契約と自分の契約を分けます。
ハザードマップと契約を照らします
自治体の地図で、洪水、内水、高潮、土砂災害を別々に確かめます。浸水深だけでなく、浸水継続時間や家屋倒壊等氾濫想定区域も見ます。色がない場合も、対象河川や想定条件、内水図の有無を確認します。
そのうえで、想定される損害に対して、建物・家財の対象、保険金額、自己負担額がどう働くかを取扱窓口へ質問します。保険料だけ、補償項目の丸印だけで比べません。補償を付けるか外すかは、住まいのリスク、貯蓄、復旧に必要な費用を踏まえて判断します。
実際の避難の判断は、保険の有無ではなく、自治体の最新のハザードマップと、気象庁・自治体が発表する気象情報・避難情報で行ってください。保険は避難の代わりにはなりません。
被害後に備えて記録方法を決めます
契約番号と連絡先を、家族が確認できる場所にも保管します。被害が出たら、まず身の安全を確保し、契約先の案内に従います。安全に撮影できる場合は、片付けや修理の前に、建物と家財の被害が分かる写真、浸水の跡、全体と近接の写真を残します。緊急修理が必要なときの連絡方法や、見積書・領収書の保管方法も事前に確認します。
ハザードDBで確かめる
町丁目のページでは、洪水の最大浸水区分、浸水想定の面積割合、町の中心付近の値を確認できます。地図で自宅地点を拡大し、自治体の地図へ進みます。ランキングは地域を同じ尺度で比較する入口であり、保険料や必要補償額を示すものではありません。
高潮と土砂災害も町丁目ごとに判定しています(全国の集計を順に進めており、まだの都道府県では「未調査」と出します)。内水は第2段階で公開します。町丁目の「想定なし」だけで水災補償の要否を決めず、最新の自治体図と契約書類を照らし合わせてください。