引っ越し・住宅購入前の災害リスク確認チェックリスト
更新 2026年10月12日
住まいを選ぶときは、町の判定だけでなく、敷地、建物、避難経路を分けて確かめます。契約直前に初めて調べるのではなく、候補を比較する段階から同じ項目を記録すると、条件を整理しやすくなります。
候補を絞る前の地図チェック
- 国の重ねるハザードマップで住所を検索します。洪水、内水、土砂災害、高潮、津波を一つずつ表示します。
- 自治体の最新のハザードマップを開きます。想定条件、作成年、凡例、指定緊急避難場所を確かめます。
- 洪水は浸水深、浸水継続時間、家屋倒壊等氾濫想定区域を見ます。土砂災害は警戒区域と特別警戒区域を分けます。
- J-SHISで地震の揺れの予測を見ます。表示中の期間、震度、確率、基準年を記録します。液状化は自治体の予測図を別に探します。
- 自宅候補から災害別の避難先まで、複数の経路を地図でたどります。川沿い、崖沿い、地下道、狭い道を通らない経路も考えます。
色がないことだけを理由に確認を終えません。地図の対象外、未整備、想定条件の違いがあり得ます。隣接地の色、土地の高低、過去の地形や自治体の浸水履歴も確かめます。
重要事項説明で聞くこと
水防法に基づく水害ハザードマップ上の物件の所在地は、不動産取引の重要事項説明の対象です。ただし、この説明だけで、すべての災害、被害の程度、建物の安全性まで確認できるわけではありません。
説明を受けるときは、使用した地図の名称と作成年、物件位置の印、洪水・雨水出水・高潮のどの地図かを確かめます。地図に色がない場合も、地図が未作成なのか、区域外なのかを質問します。土砂災害の区域指定、造成・盛土に関する規制、過去に把握している浸水や修繕の記録も、該当資料の有無を尋ねます。
「説明を受けた」という事実と、「内容を理解して選んだ」という判断を分けます。分からない用語や境界線は、その場で結論を急がず、自治体の担当窓口や公示図で確かめます。
建物と敷地の資料を確かめる
購入なら、建築確認関係の書類、検査の記録、設計図、修繕履歴、耐震診断や改修の記録を確認します。賃貸でも、部屋の階、共用部から外へ出る経路、受電設備や機械室の位置、浸水時の管理方針を確認します。
地震の予測値は、個別の建物の耐震性を示しません。建物の構造、建築時期、改修状況を別に見ます。液状化の予測も、個別敷地の地盤調査を置き換えるものではありません。売主や管理側から資料が得られない項目は「不明」として残し、必要なら専門家への相談条件にします。
敷地に擁壁がある場合は、所有関係、確認できる図面、補修履歴を尋ねます。擁壁は土砂を支える構造物で、老朽化や構造上の問題が周囲にも影響することがあります。外見だけで安全性を断定しません。
現地で見るチェックリスト
- 敷地と道路、川、線路下の通路との高低差を歩いて確かめます。
- 側溝、雨水ます、地下入口、半地下の部屋、駐車場の入口を見ます。雨水の流れを想像し、管理方法を質問します。
- 崖、沢、擁壁との位置関係を見ます。ひび、傾き、ふくらみ、排水口の詰まりなど気になる点は写真と場所を記録し、専門窓口に相談します。
- 避難経路を実際に歩きます。夜間の照明、階段、狭い箇所、冠水しそうな低い箇所を確かめます。
- 平日と休日の連絡手段、家族が別々の場所にいるときの集合方法を決められるか考えます。
晴れた日の一度だけでは分からない点があります。可能なら時間帯を変えて周辺を見ます。近隣への聞き取りは参考になりますが、記憶だけで判断せず、公的資料と建物資料に戻って確かめます。
実際の避難の判断は、自治体の最新のハザードマップと、気象庁・自治体が発表する気象情報・避難情報で行ってください。
ハザードDBで確かめる
町丁目のページで、洪水の最大浸水区分、浸水想定の面積割合、町の中心付近の値を見ます。同じ判定でも、区域が町の一部か広い範囲かを分けて読めます。地図で候補の位置を拡大し、ランキングは候補地域を同じ尺度で比較する入口にします。
町丁目集計は番地や建物の判定ではなく、「想定なし」も無災害の保証ではありません。土砂災害(イエロー・レッド)と地震の揺れ(J-SHIS 30年確率)も町丁目ごとに判定しています(全国の集計を順に進めており、まだの都道府県では「未調査」と出します)。内水・液状化は第2段階で公開します。最終確認には、自治体の最新図、重要事項説明、現地と建物の資料を使います。