家屋倒壊等氾濫想定区域とは|氾濫流と河岸侵食
読み:かおくとうかいとうはんらんそうていくいき・更新 2026年10月12日
家屋倒壊等氾濫想定区域は、想定最大規模の洪水で、家屋の倒壊や流失をもたらすような氾濫が想定される範囲の目安です。「氾濫流」と「河岸侵食」の2種類があります。浸水深とは別の情報です。
氾濫流による区域
氾濫流は、堤防が決壊するなどして流れ出す水の流れです。水深だけでなく流速も関係します。家屋倒壊等氾濫想定区域のうち氾濫流の区域は、一般的な構造の木造家屋について、倒壊や流失をもたらすような流れが発生するおそれのある範囲を計算して示します。
同じ浸水深でも、水がゆっくりたまる場所と、速い流れが通る場所では影響が異なります。そのため、洪水ハザードマップを見るときは、浸水深の色に加えて、氾濫流の区域を示す記号や網掛けも確認します。
河岸侵食による区域
河岸侵食は、洪水時の強い流れで川岸が削られる現象です。河岸侵食の区域は、川岸が削られた場合に家屋の倒壊や流失のおそれがある範囲の目安を示します。川のすぐ近くでは、浸水の深さだけでなく、地盤そのものが失われる可能性を考える必要があります。
区域の境界は、個々の家屋の構造や強度まで調べて引いた線ではありません。国土交通省も、境界は厳密なものではなく目安だと説明しています。線のすぐ外側だから影響がない、内側の建物が必ず倒壊する、という読み方はできません。
氾濫流の区域は一般的な木造家屋を念頭に計算されますが、建物ごとの耐力を評価した図ではありません。河岸侵食の区域は、家屋の基礎を支える地盤が流失するおそれのある範囲で、建物の構造によらず影響を考える必要があります。建物構造だけで区域の意味を打ち消すことはできません。
住まいと避難で確認すること
物件が区域に入る場合は、建物の階数だけで避難方法を決めないことが重要です。上階への移動で対応できるか、区域外へ早めに移動する必要があるかは、自治体の地域条件や避難計画によって違います。自治体によって地図の表示方法や避難方針も違います。
区域図では、氾濫流と河岸侵食が別の記号で描かれます。片方だけが表示される場所も、両方が重なる場所もあります。凡例と区域名を照らし合わせ、どちらの現象を示す線なのかを確認します。
区域外への経路が川を横切らないか、夜間や大雨時にも移動できるか、指定緊急避難場所と指定避難所のどちらへ向かうのかも平常時に確認します。
実際の避難の判断は、自治体のハザードマップと気象庁・自治体が発表する気象・避難情報で行ってください。氾濫が迫ってから区域内を移動するのではなく、自治体が示すタイミングに従います。
ハザードDBでの扱い
ハザードDBの現在の洪水判定は、洪水浸水想定区域の最大浸水深、町丁目に占める面積割合、町の中心付近の値をもとにしています。家屋倒壊等氾濫想定区域への該当は、独立した判定項目として集計していません。
そのため、ハザードDBで同じ「高」や「中」と表示される町丁目でも、氾濫流や河岸侵食の条件は同じとは限りません。河川沿いの住まいを確認するときは、国・都道府県の区域図と自治体の洪水ハザードマップで、この区域を別に確認してください。