津波浸水想定と基準水位とは|浸水深との違い
読み:つなみしんすいそうていときじゅんすいい・更新 2026年10月12日
津波浸水想定は、最大クラスの津波が起きた場合に想定される浸水区域と浸水深を示すものです。基準水位は、津波が建物などにぶつかって水位が上がる「せき上げ」も考慮した高さです。同じ場所でも、浸水深と基準水位は同じとは限りません。
津波浸水想定が示すもの
都道府県は、津波防災地域づくり法に基づき、科学的知見を踏まえて最大クラスの津波を設定します。過去の津波、津波堆積物、海岸地形、想定される地震などを検討し、津波が発生して海を伝わり、陸上をさかのぼる過程を計算します。
津波浸水想定は、その結果から浸水する区域と地面から水面までの深さを示します。発生頻度は極めて低くても、発生すると大きな影響をもたらす津波を対象にした、避難計画やまちづくりの基礎資料です。
最大クラスは「これより大きい津波は絶対に来ない」という上限の保証ではありません。新しい科学的知見や地形・施設の変化により、想定が見直されることがあります。
基準水位は浸水深と何が違うか
浸水深は、各地点の地面から水面までの高さです。基準水位は、津波の流れが建築物などに衝突して水位が上がる影響を加えて定める水位です。避難施設などの高さを検討する際に使われます。基準水位は、都道府県知事が津波災害警戒区域を指定する際に公示する水位です(津波防災地域づくりに関する法律 第53条第2項)。警戒区域が指定されていない地域では公示されていません。
基準水位は、単に海抜を示す数字ではありません。また、すべての津波浸水想定区域で同じ情報が公表されているとは限りません。地図の凡例で、表示が「浸水深」なのか「基準水位」なのかを確認します。
国の手引きでは、基準水位の表示にも0.5m、3m、5mなどの区切りを標準として示しています。ただし、自治体は地域特性や背景図に応じた表示を使うことがあります。色の印象ではなく、凡例の数値と単位を読みます。
地図を見るときの注意点
物件の地点だけでなく、海岸からの距離、川を遡上する経路、標高、避難場所までの移動経路を見ます。津波は川沿いに内陸へ到達する場合があります。色の付いた区域から出る経路が、橋や低い道路に偏っていないかも確認します。
想定には計算上の不確実性があります。区域の境界線のすぐ外を、影響がない場所と断定できません。また、地震発生後に沿岸へ到達するまでの時間は地域や津波によって違います。自治体の津波避難計画を優先します。
実際の避難の判断は、自治体のハザードマップと気象庁の津波警報・注意報、自治体の避難情報で行ってください。強い揺れや長い揺れを感じたときの行動も、地域の案内を事前に確認します。
ハザードDBでの扱い
ハザードDBは、国土数値情報の津波浸水想定データを使う項目を順に公開します。公開する町丁目では、最大浸水深、浸水想定が重なる面積の割合、町の中心付近の値を集計します。
基準水位は現在の町丁目判定に混ぜません。浸水深と基準水位を同じ数字として扱わないためです。都道府県の中に津波のデータがまだ無いときは「未調査」と出し、「想定なし」とは区別します。避難施設の高さなどは、都道府県・市町村の基準水位図で確認してください。