想定最大規模と計画規模とは|L2・L1の違い
読み:そうていさいだいきぼとけいかくきぼ・更新 2026年10月12日
想定最大規模と計画規模は、洪水の浸水を計算するときに前提とする雨の規模です。一般に、計画規模をL1、想定最大規模をL2と呼びます。同じ場所でも、どちらを前提にした地図かによって浸水範囲や深さが変わります。
L1とL2が表すもの
計画規模(L1)は、河川整備の計画で対象としている降雨規模です。堤防や河道などの整備目標と関係します。対象とする雨量や確率規模は河川ごとに設定されるため、「L1なら全国どこでも同じ雨」という意味ではありません。
想定最大規模(L2)は、その地域で想定し得る最大規模の降雨を前提にします。避難などに役立てる洪水浸水想定区域図は、この想定最大規模を対象とするものが基本です。国土交通省のデータ仕様でも、計画規模をL1、想定最大規模をL2と区別しています。
L2は「次にこの規模の雨が降る」という予報ではありません。また、将来起こり得る現象の絶対的な上限を保証するものでもありません。一定の条件を置いたシミュレーションとして読みます。
2つの地図は目的が違います
L2の地図は、発生頻度は低くても大きな洪水が起きた場合に、どこまで浸水し得るかを確認するのに向いています。一方、多段階の浸水想定図や水害リスクマップは、より頻度の高い降雨規模も含めて示し、土地利用や住まい方を考える材料になります。
「L2で色が付いているから毎年浸水する」「L1で色がないから浸水しない」とは言えません。地図ごとに、対象河川、降雨条件、計算時点、堤防や排水施設の扱いが違います。凡例と説明書きを一緒に確認することが大切です。
住まいを調べるときの見方
最初に地図の表題や凡例で「想定最大規模」「計画規模」のどちらかを確認します。次に、対象物件だけでなく、周辺の浸水深と浸水範囲、避難経路を見ます。複数の河川の地図がある地域では、河川ごとに確認してください。
二つの図を比べるときは、同じ河川、同じ作成主体、同じ時期の資料かも確かめます。作成年や地形データが違う図では、雨の規模以外の条件も変わっている可能性があるためです。
浸水範囲が広いL2と、発生頻度を段階別に示す水害リスクマップは、競合する情報ではありません。前者は避難を考える基礎、後者は頻度も踏まえて土地利用を考える材料というように、目的を分けると理解しやすくなります。
実際の避難の判断は、自治体のハザードマップと気象庁・自治体が発表する気象・避難情報で行ってください。
ハザードDBでの扱い
ハザードDBの洪水データは、国土数値情報の想定最大規模(L2)を使っています。計画規模(L1)を混ぜて判定していません。町丁目ごとに最大の浸水深、浸水想定が重なる面積の割合、町の中心付近の値を集計します。
洪水の判定は、最大浸水深と面積率から「高・中・一部・低・想定なし」を付けます。警戒度は、判定の重みと浸水想定の面積割合を使って0〜100で計算します。これはL2の浸水想定を町丁目単位で比較しやすくした値であり、洪水の発生確率やL1との倍率を表すものではありません。