不動産取引での水害リスク説明とは|重要事項説明の範囲

読み:ふどうさんとりひきでのすいがいりすくのせつめい・更新 2026年10月12日

不動産の売買・賃貸では、宅地建物取引業者が重要事項説明で、水防法に基づく水害ハザードマップ上の対象物件の所在地を示します。この説明は2020年8月28日から義務化されました。水害による個別建物の被害を保証・予測する制度ではありません。

説明の対象になる水害

対象は、水防法に基づいて市町村が作成する洪水、雨水出水、高潮のハザードマップです。雨水出水は、一般に内水氾濫と呼ばれる現象です。

国土交通省の運用では、入手可能な最新の地図を提示し、対象物件のおおむねの位置を示します。地番の一点を厳密に測量して示す手続きではありません。物件が複数の河川のハザードマップに含まれる場合は、それぞれが説明対象になります。

津波浸水想定や液状化などは、この水防法に基づく3種類の水害説明とは制度上の根拠が別です。重要事項説明書の他の項目や自治体資料も確認します。

区域外でも位置を示します

対象物件が浸水想定区域の外にあっても、ハザードマップ上の位置を示す必要があります。区域外であることだけをもって「水害リスクがない」と誤認させないよう配慮することも、国土交通省の運用で示されています。

区域外は、その地図の前提条件で浸水が表示されていないという意味です。対象外の河川、想定を超える雨、局地的な内水、地形や土地利用の変化などにより浸水する可能性まで否定しません。

説明時に確認したいこと

地図の作成年、対象河川、想定最大規模と計画規模の別、想定される浸水深、物件から避難先までの経路を確認します。地図に避難所が載っている場合、その位置も示すことが望ましいとされています。ただし、最も近い避難所が常に最適とは限りません。

説明を受ける際は、提示された地図の名称と発行主体を控えておくと、後から最新版を確認しやすくなります。洪水・雨水出水・高潮のうち、どの地図が存在し、どれが提示されたかを一つずつ確かめます。

市町村に水防法に基づく地図がない場合は、その地図が作成されていない旨が説明されます。「地図がない」と「リスクがない」は同じではありません。自治体独自の浸水実績図や水害資料があれば、重要事項説明の法定範囲とは分けて確認するとよいでしょう。

重要事項説明は契約判断のための情報確認です。避難計画や建物の止水対策を個別に決める手続きではありません。疑問点は地図を作成した市町村の窓口で確認します。

実際の避難の判断は、自治体のハザードマップと気象庁・自治体が発表する気象・避難情報で行ってください。その際は最新版を使います。

ハザードDBでの扱い

ハザードDBは、国や自治体の地図データを町丁目単位で集計した参考情報です。不動産取引の重要事項説明書や、宅地建物取引業者による対象物件の位置の説明を代替しません。番地や敷地境界ごとの判定も行いません。

洪水については、想定最大規模の最大浸水深と浸水想定の面積割合から判定と警戒度を示し、町の中心付近の値も併せて表示します。同じ町丁目内でも物件の位置により条件は変わります。契約前には、市町村の最新ハザードマップ上で対象物件を改めて確認してください。

出典

避難の判断は、お住まいの自治体のハザードマップと気象情報を確認してください。